【解析対象選択の流れを明確に!】CONSORTダイアグラムの意味と描き方を解説!

ランダム化比較試験の良い結果報告の基準としてCONSORT声明というものがあります。CONSORT声明は世界的にも受け入れられている基準で、JornalによってはCONSORT声明に則っていることを確認するように推奨されており、臨床研究を行う研究者は全員知っておくべき基準です。

CONSORT声明はチェックリストとフローチャートから構成されています。

この記事ではその中でもフローチャートの考え方や描き方について解説します!

CONSORT声明とは?

CONSORT声明とは?

CONSORT声明とはThe Consolidated Standards of Reporting Trialsの略で、ランダム化比較試験における報告の質の向上のための基準を記載した文書のことです。

CONSORT声明は25項目のチェックリスト(checklist)とフローチャート(flow diagram)で構成されます。ランダム化比較研究の報告基準として広く受け入れられており、一部Journalではチェックリストの提出が求められることがあります。

チェックリストはこちらからダウンロードすることができます。

CONSORTチェックリスト

フローチャートはCONSORTダイアグラムと呼ばれることが一般的です。

今回はそのCONSORTダイアグラムについて解説します!

CONSORTダイアグラムを使って解析対象の選択を明確に!

CONSORTダイアグラムでは、被験者の適格性確認→ランダム化→追跡不能症例→解析対象の選択までの流れをフローチャートで表現します

フローチャートの中では、適格例やランダム化対象例、解析対象例の症例数だけではなく、どうして各段階で対象から除外されたかも記載します。そのため、CONSORTダイアグラムを描くことで、適切に解析対象が選択されているかを明確にすることができます!

CONSORTダイアグラムはCONSORT声明から以下のような例が提示されています。実際にランダム化比較試験を行うときには以下に従ってフローチャートを作成しましょう!

CONSORTダイアグラムの例

実際に使われているCONSORTダイアグラムの中には追跡不能例を解析対象から除外することを分かりやすくするように以下のような形で描くこともあります。どちらが分かりやすいか考えて作成してみてください!

CONSORTダイアグラムの別例

必要な情報はどちらの場合も同じなので、以下の情報を事前に整理しておきましょう!

CONSORTダイアグラムを描くために必要な情報

  • 適格/不適格数
  • ランダム化対象例数
  • 追跡不能例数
  • 解析対象例数

観察研究でもCONSORTダイアグラムを使う?

観察研究でもCONSORTダイアグラムを使う?

観察研究でも解析対象の選択の流れをCONSORTダイアグラムで示すことでよいでしょうか?

実は観察研究にはSTROBE声明(The Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology)というガイドラインがあります!そのため、観察研究の場合はSTROBE声明に従って報告しましょう。

STROBE声明もCONSORT声明と同様に適格症例→登録例数→解析対象例数のように適格から解析対象選択までの流れが記載されます

STROBE声明からは以下のような例が提示されていますので、観察研究の場合は以下の例に従って作成してみてください!

STROBEダイアグラム

まとめ

各記事のまとめ

今回はランダム化比較試験の結果報告の基準であるCONSORT声明の中でもCONSORTダイアグラムについて解説しました!

CONSORTダイアグラムを描くことで、どのような手順で適格例から解析対象例が選択されたかが明確になり、解析対象選択の妥当性を明示的に示すことができます。

またCONSORT声明はランダム化比較試験報告の中でも世界的に受け入れられている基準になるので、一度読んでおくことをお勧めします!

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